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急にふさぎ込んだかと思ったら、いきなり無差別殺人を起こして、最後は自殺してしまう...
以前からずっとアモックという病気が気になってたので、少し調べてみた。
アモックというのは、東南アジアの一部の地域にだけ発症する精神障害のことだ。
風土病?東南アジア特有のアモックという精神障害
私がアモックを知ったのは、キャメロンハイランド滞在中に読んだ【マレーシア (暮らしがわかるアジア読本)】という古い本だった。
その土地でしか発症しない精神疾患という部分に、何だかやたらと興味をそそられてしまったのだ。
しかしネットでアモックについて検索してみたんだけど、あんまり情報が出てこなかった。
一定の地域にだけ発症する病気を、風土病と言う。
例えば、ニューギニア島でのクールー病(食人習慣が原因)なんかは風土病のひとつだ。
そして、風土病の精神障害バージョンを文化依存症候群と言う。
例えば、韓国では火病(ファビョン)、日本では対人恐怖症がそれに当てはまるらしい。
アモックも、マレー半島やインドネシアにだけ存在する文化依存症候群のひとつだ。
アモックは主にマレーシア・インドネシア・フィリピンなどで発症した記録がある。
男性に多いとか、ショックな出来事があった後に起こるなどの共通点はあるらしいが、詳しい事は良く分かっていない。
で、アモックに関する本とか無いかなあ?と探して引っかかったのが、「蛍の航跡―軍医たちの黙示録」という本だった。
この本は軍医の回顧録ということで、アモックの話以外の話も非常に読み応えのある内容だった。
アモックはイスラムの断食と関係がある!?
この本には、回教の断食開けには毎年数件アモックが発生すると書かれている。
ひと月に及ぶ断食で脳細胞が栄養失調をきたし、それに基づいて錯覚と幻覚が生じる物で...
〜(中略)〜
回教徒では、異教徒との戦争で戦死した際、戦死者は回教上の支社の儀礼なくして天国に生まれかわることができ、七名の美女をはべらせて暮らせる思想があるという。
通常のアモックとは別に、回教徒のアモックをアモック・トンク(回教徒のアモック)と呼んだと書かれている。
生きる希望を失った(特にアチェ人)人は、異教徒(オランダ人が多い)を殺害して天国に昇ろうとすることがあるらしく、これをアモック・トンクと呼ぶらしい。
私の知りたかった「アモック」とは、ちょっと違う点もあったけど、かなり興味深い内容だ。
どこまでが本当なのかよくわからないけど...一応、(作者の実体験では無いにしても)実際にあったことを元に書かれているはずなので読み応えはあった。
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