インド北東部8：揉め事にうんざりしてガントクを逃げ出すことにした

臭い部屋は居心地が悪くて、朝早くに目が覚めてしまった。
部屋が臭い上に、水も出なかったので、シャワーも浴びられない。
なんと、トイレを使うことすらできなかった。

シャワーはともかく、トイレなんて我慢できるもんじゃないので、トイレを借りるために繁華街へ出た。

ガントクの街

朝食＆トイレを借りる為に、カフェに非難した。
トイレにすら行けない宿なんてキツいなぁ・・・でも、水不足だから仕方がないのかな。
（水の出るうちにバケツに溜めておけば良かったんだけど、昨日部屋に入った時間には水は止まっていた）
オーナーもスタッフ(アヌー)も良い人達なんだけど、普通の宿に移動したいな。

ブラブラとロープウェイの方へ歩いていたら、スーパーがあったので立ち寄ってみた。
すごく広いスーパーだったけど、あんまり人がいなかったな。

そのあとは、またカフェに行ったり、歩いたり、またまたカフェに行ったりして時間を潰した。
部屋に戻るのがイヤすぎて、観光する気分にもなれなかった。
もちろん他の宿も探してはみたけれど、ホリデーでどこも満室(もしくは外国人お断り)だった。
ホリデーが終わるまでは、あの部屋で我慢するしかないみたい。

そんな感じでプラプラしていると、夜になったので宿に戻った。

宿で一悶着

朝も早かったし、ずっと外を歩き回っていたので疲れていたので、部屋に戻るとすぐに眠くなった。
ベッドに横になって、ウトウトしていると、

コンコンコン

ドアをノックされた。
誰だよ・・・と思ったら、アヌーの声がする。
ドアを開けると、アヌーとオーナーがヘラヘラして立っていた。

つまり、私はこの部屋を追い出されるらしい。

昨日は「スタッフルームに、客が泊まれる訳ないだろっ！」とか怒鳴っていたオーナーが、何故急に。
眠いし面倒だったけど、アヌーが楽しそうに「一緒に泊まろう♪」と言っているので断れなかった。

そして、私はスタッフルームへ移動した。

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スタッフルームに宿泊

スタッフルームは、さらに汚い部屋だった。

そういえば確認していなかったけど、もちろん部屋代は無料なんだよね？
と思い、オーナーに確認すると、

なんとも、ふざけた事を言っている。
抗議をしても、訳の分からない事ばっかり言って、しまいには忙しいそぶりをみせて「その話は後で！」と言って消えてしまった。

400ルピー払って、こんなに汚い部屋に泊まらせられるなんて・・・
しかも相部屋だ。
でも、アヌーは楽しそうにしているからしょうがないか。

アヌーはスタッフとしての仕事があってまだ忙しいので、私は先に寝る事にした。
ベッドに横になろうとした時、なんと、部屋のトイレから男の子が出て来た！

何だ？
もしかしてこの部屋にいる霊的なやつか？

と思ったら、どうやらアヌーの彼氏らしい。
数分後にアヌーが部屋に来て「彼氏なの、へへへ」と嬉しそうに紹介してくれた。
アヌーに会いに来ていたが夜遅くなってしまい、家まで帰れないのでこっそりアヌーの部屋に泊まるんだそうだ。
だけど、オーナーにバレたら大変な事になるので、さっきはトイレで隠れてたとのこと。

そんな2人の所に私がお邪魔していいのか？
てゆうか3人で泊まるの？

もう、何が何だかわからない。
わけが分からないけど、少年は「僕に気にせず休んでください」と言うので、寝た。
アヌーはまた、仕事に戻った。

我ながら、よくこの状況で眠れるなと思ったが、疲れていたからいびきかいて眠ってしまった。

殴り合い

しかし、眠っていてしばらくすると、

コンコンコン

また、誰か来たようだ。
もう、いい加減に寝かせてくれ。
ノックをして来たのはオーナーだった。

そう答えると、ドアをガッと開けられて、アヌーの彼氏が居るのがバレてしまった。

………。

長い沈黙の後、オーナーが「お前だれ？？」と声をかけた。
当然の質問だ。

するとアヌーの彼氏は、私を指差して「彼女の友達です」などと答えやがった。
なにこれ、どういう展開？

半分寝ぼけていたけど、私の友人…じゃないだろ。
とりあえず、否定しておいた。

すると、オーナーがすごい勢いで怒り出した。
「寝ている間に、部屋に入って来たのか！？テメエ！！」みたいなことを大声で叫び出し、アヌーの彼氏に殴り掛かった。

「ここは外国人の泊まるホテルだぞ！その部屋に勝手に入って何してんだ！ツーリストポリス呼ぶぞ！！」
みたいな事を言いながら、落ちていた棒で少年を殴る。
アヌーの彼氏は「違います！友達です！！本当です」と叫んでいた。

え？
私の友達って言えばよかったのか？
でもなんで、アヌーの名前は出さないんだ？
私はかばってあげるべきなの？
でも、知らないもんは知らないし、眠いしわけ分かんない。

ということで、私はここで本当のことを教えてあげた。

するとアヌーの彼氏は、
「ノー！！！誰だそれは、知らない。君の友達だろう？？」
と叫び出す。

オーナーも一緒になって、
「何言ってんだ！アヌーはそういう子じゃない」
とか言っている。

（↑こんな会話をしながら、すんごい音を立ててオーナーが少年を棒で殴っている）

この騒ぎで、アヌー本人も駆けつて来たんだけど、やはり知らないフリをしている。
な、なぜなんだ。

しまいにはオーナーが「ポリスへ通報だ！」と叫び出し、本当に通報してしまった。

「それだけはやめて下さい。僕はあなたと同じ仏教徒です。何も悪いことはしていません。ただ家が遠くて帰れなくなっただけです。信じて下さい。本当です。」

という少年の声が宿中に響き渡っていた。
さすがにこれは可哀想だと思ったけど、それよりもなぜアヌーはかばってあげないのだろうか？

（そして、今気が付いたが、彼らは終始英語で会話をしていたな。）

こんな大騒ぎがあったので、私は宿を出ることにした。

チェックアウト

次はペリンという田舎町へ行く。

早朝になって、オーナーにチェックアウトしたいと伝えると、
「ホリデーだからジープ満車かもよ？それでもペリンへ行くなら、ここの宿に泊まると良いよ」
とオススメのホテルを教えてくれた。

誰が泊まるか！
と、この時は思ったが結局泊まった。

昨日の大騒ぎ以降、アヌーの姿はどこにもなかった。
オーナーも「アヌーは、何処へ行ってしまったんだ・・・」と悲しそうに呟いていたが、昨日の少年がアヌーの彼氏だとは全く信じていなかった。
オーナーの話によると、彼は警察に連れて行かれたらしい。
しかも、たびたび宿に来ていて顔も知っている少年なんだとか。

いや、それなら、普通にアヌーの彼氏だって思いません？

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