インド旅行記17日目

2012年1月22日     

デリーは、なかなか居心地が良かった。
お店がたくさんあるし、外国人も多いので安心感もあった。
それに、外国人が泊まれる安宿が多かったり、意外と物価も安い。
ムンバイも同じ様な大都市だったが、デリーの方が断然過ごしやすい。
(だいたい、ムンバイは宿代が高すぎる!)

ナブランに泊まる人

私の泊まっている安宿ナブランには、インド通の親切な日本人が長期滞在していた。
名前を、太郎さんとでもしておこう。
太郎さんには、インドについての色々なことを教えてもらった。

彼は、日本ではとても波瀾万丈な人生を歩んだ末に、インドへと辿りついたんだそうだ。
自分が苦しい時にインドに助けてもらったので、インドには感謝していると言っていた。

詳しく聞いてみると、たいして波瀾万丈な人生ではないように思えたが...きっと私などには語れない苦労をしてきたんだろう。

太郎さんは、ヒンズー語もペラペラだった。
隠れ家的なインド料理屋に連れて行ってくれたり、インド人しか行かない様な場所に連れて行ってくれたり、本当にお世話になった。
しかし時々、太郎さんを話していると「あれ?」と思うことがあった。
急に電池が切れた様に、しばらく停止してしまうのだ。
ちょっと変わっているなとは思っていたが、インドにはそれ以外に変わったことがたくさんあったので気にせずにいた。

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もしかして

ちょっと聞きたいことがあり、太郎さんの部屋を訪ねた時だった。
ドアを開けると、太郎さんのベッドには大量の薬が散らばっていた。
何となく心を患っているんだろうとは思っていたが...薬の量、多すぎないか?

私は薬なんて見なかったフリをして、話を始めた。
しかし、太郎さんは私の話など聞きもせず、

「ははは、この薬凄いでしょう?
実は僕、病気でね。
ははは、これが○○薬で、これが○○薬で・・・・・・」

と、笑いながら薬の説明を始めたが、私には何を言っているのかよく分からなかった。
今思えば、あの時の太郎さんは薬がとても効いている状態で、ハイになっていたのかもしれない。

太郎さんは、前述のように波乱万丈な経験をした後に、インドに助けられてそのままインドに数年間住んだのだが、日本に帰国したら鬱病を発症してしまい、その後はほぼ引きこもりの日々を送っていたらしい。
そんな自分を変えたくて、今回再びインドにやってきたのだという。

そして太郎さんの話によると、インドにはそういう日本人が多いんだそうだ。
確かに、この後に知り合う日本人の「実は日本で鬱病を患い・・・」という、まったく同じような話を何度か聞いた。
たまたまかもしれないが、性別は全員男性で30〜50歳くらいの中年世代だった。

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