2012年2月18日

「ここから車で1時間くらい行った所に温泉があるらしいですよ。」

大介君がどこからか、温泉情報を仕入れて来た。
私たち3人は、車を手配して温泉に行ってみることになった。

インドの温泉

インドに来て温泉に入れるなんて♪
早く暖まりたいな〜♪
と、温泉に過剰な期待をしていた。

マクロードガンジから車で1時間くらい行った所にヒンズー寺院があり、そこに温泉があるんだそうだ。
もちろん外国なので、日本みたいに裸になって入る温泉ではない。
なので、私たちは温泉に入るための服を持っていった。

ヒンズー寺院に着くと、さっそく温泉に向かった。
服は着たまま入るけど、温泉は男女で分かれている。
そもそも、想像していたような温泉とはかなり雰囲気が違うものだった。
お湯の色が、泥みたいな色をしている...
それでもチベット人の女の子達が楽しそうにお湯に入っているので、思い切って入ってみた。

生まれて初めて、服を来たままお湯に入った。
なんか変な感じだ。
しかも、お湯が思ったよりも冷めていてぬるい。

ただ、みんな楽しそうにしているのにつられて、私たちも楽しくなってきた。
しかしお湯がぬるすぎて、長く入っていても温まらないなと思い、早めに髪の毛を洗って出ようかなと思った。
その時。

急に、棒を持ったインド人男が怒鳴りながら入って来た。
そして「出て行け!!」みたいなことを叫んでいる。
チベット人たちが、しぶしぶ外に出て行く。

え?エ?なにこれ??
と思って呆然としていると、おっさんは私たちにも「出て行け」と言って怒鳴ってきた。
意味が分からずに外に出ると、そこにはインド人の女性が数人待っていた。

どうやらインド人達を優先的に温泉に入れる為に、寺の管理人らしきインド人が棒を持ってチベット人と私たち外国人を追い出したのだ。

何これ!
すごくむかつく。
棒を振り回して、叫んで追い出すとか...私たちは野良犬か?

怒りがおさまらずに大介君にその事を話すと、彼は私たちを追い出したインド人おやじに話を聞きに言った。
こういう時に英語が達者だといいな〜と思う。

すると大介くんは、「追い出していないって言ってるけど・・・」なんて言うので、

トド島トド江(左)

嘘だ!
追い出されたよ私。
棒を振り回して外国人旅行者を追い出すなんて、インド人はヒドいって世界中に言いふらしてやる。
って、おやじに伝えてよ。

頭にきていたので、とても幼稚な通訳を頼んだw
すると、長く話し合った結果、

「なんか...中で髪の毛を洗ってませんでした?
それを注意しただけだっていってるんですけど。
彼もSORRYって言ってるし、もっかい入っても良いよって言ってるけど、どうします?
もっかい入ります?」

ああ、確かに髪の毛を洗ってるチベット人はいたけど...ダメだったのか?
ちゃんと洗い場みたいなところで洗ってたけど。
そもそも、それを注意しに来た感じじゃなかったけどな。
普通に温泉入ってる私たちにまで、棒振って怒鳴ってきたし。

トド島(左)

(私は)髪洗ってなかったよ。
もう寒いし、また追い出されるの怖いから入らないって、言っといて。

もしかしたら、ヒンズー教の寺院に外国人がいるのが気に食わなかったのかもな。


(一緒に怒鳴られたマルシコは、疲れ切って寝ていた)

泥のお湯に浸かったので、髪の毛だけでもどっかで洗ってから帰りたいな〜
と思い、近くの水道で頭を洗おうとした。
すると、チベット人のおばちゃんが笑いながら手招きしてきた。
近づくと大きな井戸の近くで、「ここに頭出しなさい!」とジェスチャーしている。
言われた通りに頭を出すと、上からバサーっと暖かいお湯をかけてくれた。
チベット人のおばちゃんが、温泉水が出るレバーを引いてお湯を出してくれたのだ。

あったか〜い!

いきなり温泉から追い出されても、チベット人達は誰も怒ったりしていなかった。
もしかしたら、差別されることに慣れているのかもしれない...
でも、みんな笑顔だったし、一緒にいるだけで心が平和になった。

温泉から帰る途中にボヤッキーからメールが入っていた。
どうやらボヤッキーも、近々ダラムサラに来るらしい。

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